当院で行う一般的な血液検査項目の説明ページです。

院内で緊急で行える検査は血糖、HbA1c、白血球数、赤血球数、血色素量、ヘマトクリット、血小板、CRPです。その他、一般的な尿検査や心臓の検査であるBNP、トロポニンT、H-FABPも院内で検査が可能です。

項目説明
総蛋白(TP), アルブミン(Alb)血清中の蛋白質はアルブミンとグロブリンに分かれます。アルブミンは血液中で最も多い蛋白質で肝臓で作られます。栄養源として、また血液の浸透圧の維持を保つ役割をしています。最も小さい蛋白質のため腎臓疾患などで尿中に出てきます。
尿酸(UA)尿酸は身体の細胞の核にあるプリン体が壊れてできます。高いと、関節に沈着し痛風起こしたり、腎障害、尿路結石を起こします。動脈硬化の原因にもなります。
尿素窒素(UN)蛋白が身体の中で分解されたときにできる老廃物で腎機能が低下すると尿素窒素が高くなります。そのほか出血や脱水症状のときにも上昇します。
クレアチニン(CREA)クレアチニンは筋肉内にあるクレアチンの最終産物で、腎臓でろ過され排泄されるため、腎機能のもっとも重要な指標とされています。
eGFR尿は腎臓で血液を濾過して作られます。この濾過量を簡易的に計算したものをe-GFRといい、慢性腎臓病の指標となります。
ナトリウム(Na), カリウム(K), クロール(Cl)体液中のイオン濃度を調べバランスの崩れを見ています。心臓病、腎臓病、脱水症状や熱中症などの時に異常値を示します。
カルシウム(Ca)骨や歯の形成、神経・筋の興奮、血液の凝固などにかかわっている電解質です。
無機リン(IP)腎機能が低下すると、リンが蓄積されてホルモン分泌に影響がでて骨のカルシウムが血液中へと溶け出し、骨がもろくなったり、血管の石灰化が起こります。
LDLコレステロールLDLはコレステロールは悪玉コレステロールと言われ動脈硬化と深くかかわります。LDLコレステロールの増加は心筋梗塞の危険因子です。
中性脂肪(TG)過剰に摂られたエネルギーは中性脂肪として貯蔵され、さらに増加すると皮下脂肪や肝臓に蓄えられます。内臓脂肪の増加や脂肪肝の原因となります。
HDLコレステロール動脈壁に付着したコレステロールを再び血液中に洗い出す働きがあるため善玉コレステロールと呼ばれます。これが高いと動脈硬化に予防的に働きます。
AST(GOT)心臓・肝臓・筋肉・腎臓などのさまざまな臓器に存在する酵素です。これらの臓器が障害を受けると、この酵素が血液中に放出され、値が高くなります。
ALT(GPT)身体のさまざまな臓器に存在しますがALTは主に肝臓に存在するためASTとALTの両方が高いときあるいはALTのみが高い値の場合には肝障害の可能性が高くなります。
ALP身体のほとんどの臓器に含まれている酵素ですが、主に肝臓、胆管、骨などに多く分布し、これらの臓器の疾患で高値を示します。
γ−GT(γ−GTP)肝臓や胆道に病気があると高値を示します。アルコールの影響で高値になりやすく、常習飲酒による肝障害の指標になります。
LD(LDH)各種臓器に広く分布し、肝臓、心臓、腎臓などの臓器のほか、筋肉や血液にも多く存在します。これらの臓器や血液成分に障害があると高くなります。
CK骨格筋や心筋など筋肉に多く含まれている酵素で、心筋梗塞や筋肉に障害があると高くなります。
血糖血液中のブドウ糖は身体のエネルギー源です。食後は血糖が上昇しますが、インスリンの働きでもとに戻ります。糖尿病になると血糖値は上昇します。
HbA1c過去4~8週間の長期間の血糖がうまく調整されているかどうかを知るために役立ちます。
白血球数(WBC)生体を細菌やウイルスから守る免疫に役立つ細胞です。感染症や喫煙、ストレス等で高くなりますが、まれに重大な血液系の病気(白血病など)のこともあります。
赤血球数(RBC), 血色素量(Hb), ヘマトクリット(Ht)血液中の赤血球の数です。赤血球の数が減ると酸素の運搬機能が低下し貧血を起こします。ヘモグロビンは赤血球中にある鉄を含む血色素で、体中に酸素を運ぶ役割をしています。ヘマトクリットは血液中の赤血球が占める割合です。
MCV, MCH, MCHCMCV:平均赤血球容積と呼び、赤血球一個あたりの容積(大きさ)を示します。
MCH:平均赤血球ヘモグロビン量と呼び、赤血球一個あたりに含まれるヘモグロビン量を示します。
MCHC:平均赤血球ヘモグロビン濃度と呼び、赤血球の一定容積に対するヘモグロビン量の比を示します。
これらの値から鉄分の足りない貧血なのかなど推定することができ、追加検査をする際などに役立ちます
血小板数血液中の血小板数です。出血したときに血を止める役割をしています。
CRP身体の中に炎症や感染、組織の損傷があった時に血液中に増える蛋白です。