脂質異常症
体の中にはコレステロールや中性脂肪といった脂質がありこれらが多くなったり少なくなったりすることを脂質異常症と言います。以前は「高脂血症」、「高コレステロール血症」などと呼ばれていましたが、今はまとめて「脂質異常症」と言います。
コレステロールと中性脂肪
コレステロールも中性脂肪は本来私たちの体をつくったり、エネルギーの源としての働きがあり、生きていく上で必要なものです。コレステロールには悪玉(LDL)と善玉(HDL)がありLDLが増えすぎたり、HDLが少なくなってしまうと血管の壁に余分なコレステロールがたまってしまって血管がつまる原因となります。中性脂肪は過剰になると体の脂肪になり、内臓脂肪がたまるといわゆる’’メタボ’’になり、こちらも血管がつまる原因となります。
脂質異常症は症状はありません…
脂質異常症は自覚症状がありません。しかし脂質の異常を放置すると動脈硬化が起こり、その結果、脳梗塞、狭心症や心筋梗塞などの循環器病が起こります。健診などで指摘された場合は適切に評価をして、生活習慣の改善や薬の治療を検討していきます
脂質異常症の治療
生活習慣の改善と薬の治療が中心となります。将来心筋梗塞になるリスクが高い患者さんには、生活習慣改善の効果があまり期待できない場合、早期に薬の治療を開始します。継続して内服することで将来の動脈硬化を予防します。
生活習慣の改善
●タバコを吸っている人は禁煙!
●食べ過ぎと運動不足に注意して、適正な体重を維持!
●魚、緑黄色野菜、海藻、大豆製品を多くたべて、肉や卵、加工食品は適度な量に!
●アルコールは少なめに(ビール350ml以内、日本酒1合程度)!
●有酸素運動(少し早めのウォーキングなど)を毎日30分!
食事のポイント
肉の脂身(動物油) 鶏卵 ラード バター マーガリンなどは控えて、植物油や魚をとりましょう。
摂取してもよい油には魚油(青魚のEPAやDHA)、大豆油、ごま油、なたね油があります。最近ドレッシングに使われているアマニ油、えごま油などもおススメです。
海藻や野菜、大豆、果物を積極的にとりましょう。
薬の治療の際に…
生活習慣を見直したあとでもLDLコレステロール値が140mg/dl以上、中性脂肪値が150mg/dl以上であれば薬物治療を検討します。
その際に性別、血圧、喫煙、家族に心筋梗塞の方がいるか、持病に糖尿病や腎臓病があるか等を参考に将来の心筋梗塞発症リスクを推測して治療目標値を最終的に決定します。
すでに心筋梗塞や脳梗塞をされたことがある患者さんの治療目標はより厳しい値となります。
HDLコレステロールが低い…
HDLコレステロールを上昇させる薬は現時点ではなく、適切な運動が上昇に最も寄与しているといわれています。HDLコレステロールが40mg/dl以下の患者さんは、通常よりもLDLコレステロールを厳格に治療目標に到達させることも重要です。
※心筋梗塞後で通常の薬物治療でコントロールが困難な場合は注射でLDLコレステロールを低下させる治療もありますので、お気軽にご相談ください。
患者さんへ:
脂質異常症は症状がないため、薬の治療に踏み切ったり、継続したりすることが難しい疾患です。しかし、よくない状態を放置することで重大な合併症を引き起こす可能性が高まります。心筋梗塞になると突然死してしまったり、脳梗塞になると麻痺を抱えて暮らしていかなければなりません。健診で指摘されることが多いと思いますが、まずはしっかり将来の自分のために、リスク評価をしましょう。
