みつまクリニックでは患者さんへの禁煙を強く勧めています。特に高血圧や糖尿病などの生活習慣病で通院されている方が喫煙をされることは将来的な合併症の危険を増大させてしまいます。このページではタバコと健康、禁煙治療などについての紹介をします。
喫煙による健康への影響
喫煙はがんだけでなく、心筋梗塞などの心臓病、脳卒中、肺の病気など多くの病気に関わっていることがわかっています。吸う人への影響(能動喫煙)だけでなく周りの人への影響(受動喫煙)もあると言われており、こどもの発育などにも影響があることがわかっています。
加熱式たばこ
最近使用されている方が多い加熱式たばこは基本的に発生する有害な化学物資の種類はほぼ変わらないとされています。紙巻タバコよりも健康リスクが低いというイメージがあるだけで証拠は今のところありません。
禁煙の効果
喫煙していると寿命は10年短くなると言われていますが、30歳で禁煙すると10年、60歳でも3年、寿命が延びるというデータがあります。上にあげた喫煙と関連がある病気の発病の危険は禁煙することで低下していきます。その他自覚する症状として味覚、嗅覚が鋭敏になる(=食べ物がおいしくなる)、咳や痰がよくなるなどがあります。
ニコチン依存症
長い間、喫煙は個人の嗜好の問題であり、禁煙は本人の意思の問題であるとされてきましたが、最近、喫煙の本質はニコチンに対する薬物依存症であることがわかっています。
TDS ニコチン依存症スクリーニングテスト

この質問票で5点以上はニコチン依存症と診断されます。
薬を使用した禁煙治療
現在日本ではニコチンガム、ニコチンパッチ、内服薬で禁煙治療をすることができます。ガム、パッチはドラッグストアでも購入することができます。当院ではニコチンを含まない内服薬による禁煙外来を行っています(保険診療です)。内服薬はニコチンの離脱症状と禁煙欲求の両方を緩和する作用があります。「タバコがおいしくない」と感じる薬なので、禁煙開始日の1週間前から喫煙を継続しながら、服用を開始します。最も多い副作用は吐き気で内服初期に起こることがありますが、吐き気止めを使用したり多めの水で内服したりすることで多く場合治療を継続することができます。治療が終了してから9か月後の禁煙の継続率は56%と言われています。
禁煙外来をお勧めする患者さん
以下のような方はガムやパッチより禁煙外来をお勧めします。
●喫煙本数が多い(20本以上)
●禁煙する自信がないけどやめたい
●禁煙に失敗したことがある
禁煙外来のスケジュール、費用
12週間で5回の外来受診をしていただきます(2週後、4週後、8週後、12週後)。途中、オンライン診療をすることも可能です。12週間での費用は2万円程度であり、昨今のタバコの価格を考慮するとそこまで高額ではなくなっています。